ビギナー、アドバンス、エキスパートと3カテゴリーに分けての開催で、実に45チーム、225名の選手たちが柔道の試合場4面を使って団体戦・抜き試合というQUINTET独自の試合にチャレンジ。
出場選手には、すでにMMAで活躍しているプロの選手もいれば柔術の強豪、また芸人チームやカメラマン、ライターも出場。各ジムの一般会員たちも含め、レベルに合わせて様々な人たちが出場できるのがアマチュア大会のよさだろう。
試合は各カテゴリの中でさらにブロックを分け、4〜5チームによるトーナメントを複数開催。出場メンバーの予想される実力に応じて組み合わせが決められたという。
それだけ実力伯仲のトーナメントだったのだが、それでもプロ選手として活躍中の山田崇太郎がQUINTET史上初の5人抜きを達成。また準パーフェクトというべき「4人抜き&大将戦ドローで一人決着」という試合も。
今大会の注目選手の一人は、柔術世界選手権4連覇の実績を持つ湯浅麗歌子。湯浅はチーム「GTS」で参戦し、とらの娘レスリングクラブと対戦。女子はトーナメントではなく、この1試合のみの実施となった。
湯浅はチームの最後の砦となる大将としてエントリー。だが試合は先鋒の松本彩が3人抜きから副将とドロー、次峰の越後伊織が大将とドローで、GTSは3人残しの勝利。湯浅は試合なしで大会終了となった。
そんな状況だったが、湯浅は明るい表情。「チームが勝ったので嬉しいといえば嬉しいです」。湯浅によると、先鋒の松本と次峰の越後は「緊張しやすいタイプ」。それでも団体戦だったため、「みんながいたから、普段よりメッチャいい動きでしたね。だから勝ったし、私には回ってこなかった」。その意味でも、QUINTETだからこその結果だったと言えそうだ。
この結果に、主催者である桜庭和志は「1試合だけの場合は8人抜きしないと勝ちにならないルールにしようかな(笑)」とルール改正案も。とはいえもちろん理想はトーナメントでの開催。次回のアマチュア大会、またプロでの女子マッチ実現に向けて、湯浅も「たくさんの女子選手に出てきてほしい」とアピールした。
大会後の総評では「思ってた以上に盛り上がってたし、特に応援に来た人たちが盛り上がってたのが良かったですね。試合自体も見てて面白かったです。やっぱりチーム感が面白い。一緒にやると仲良くなったり。“熱闘甲子園”ですよ」と桜庭。
また、このアマチュア大会は日本ブラジリアン柔術連盟との共催。会長でありQUINTETの審判委員長も務める中井祐樹氏は「たくさんのチームに参戦してもらって、たくさんの笑顔が見られていい大会でした。グラップリングにはこういう盛り上がり方があるんだと知ってもらえたら」。
中井氏によると、やはりアマチュアでもQUINTETの「分かりやすさ」が出たという。
「チーム戦で、一本を取らないと引き分け。(極めにいくから)多くの人に伝わりやすい。仲間と組んで闘うのがこんなに面白いんだっていうのがアマチュアにも伝わっていけば」
見て面白く、やっても面白いQUINTET。プロの選手育成という意味でも、団結力というファクターも重要になる一般向けDOスポーツとしても、アマチュアQUINTETは今後、大きな役割を担っていきそうだ。