K-1&QUINTET世界200カ国に配信への背景に迫る! DAZN Japan保泉司文氏インタビュー

DAZNで日本をはじめとする200以上の国と地域でライブ配信されることが決まったK-1&QUINTET。なぜ、DAZNはK-1&QUINTETをグローバルパートナーに選んだのか。DAZN Japanのバイスプレジデント・ライツの保泉司文氏にお話をうかがった。

DAZN Japan保泉司文氏
REBOOT

――これまでメジャースポーツを中心に放送してきたDAZNが、K-1&QUINTETの配信をすることが大きな話題になっています。

弊社DAZN Japanとしましては、以前より日本発のK-1、そしてQUINTETの世界における市場価値の高さに着目してきました。K-1はUFCやJリーグと同じ1993年に創設されて、一大ムーブメントを起こしてきました。一時は幕が閉じそうになる時期もありましたが、武尊選手を中心に新生K-1として立ち直り、30年の歴史をしっかりと繋いできています。その中でも、とくに我々が注視しているのは世界での認知度です。

――たしかに旧K-1時代は、世界各地で大会を開催し、世界150の国と地域で試合を放映するなど認知度を広めていた時期がありました。

その財産が、とても大切で、いまだに世界でK-1の名前は浸透しています。我々は、スポーツの世界配信ビジネスをしていますので、どれだけの人が知っているかがとても重要です。またQUINTETは、日本発の新しい形式の競技ではありますが、世界におけるブラジリアン柔術の競技人口は柔道を超えたとも言われています。たくさんの柔術家がMMAで結果を残している背景を考えても、寝技の団体戦に特化したQUINTETの市場価値は高いと見ています。

――今回は、どういう経緯で配信に至ったのでしょうか?

はい。K-1がQUINTETと資本提携をして、新しい体制で世界展開に舵を切ったことを契機に弊社と接点ができ、関係者を通じてK-1のカルロス菊田プロデューサーやQUINTETの桜庭和志プロデューサーとお話しを始めました。K-1とQUINTETは、ともに日本発の格闘技で世界における関心度の高さや何よりも将来性があります。DAZNは、ともに成長し世界へ向けて発信していけるメディアパートナーになると確信しております。

K-1のカルロス菊田プロデューサーとQUINTETの桜庭和志プロデューサー

――DAZNが考える具体的なグローバル展開としては、どんな計画がありますか?

まだスタートしたばかりですので、まずは世界へ向けたコンテンツ作りをK-1やQUINTETとともに築いていくことが重要になります。現時点では具体的な数字は、あえて設定していませんが、9月10日に開催される横浜大会を世界へ配信し、そこで視聴者様のニーズやご意見も出てくると思いますので、今後に反映させていきたいと考えています。

――UFCは現在、172の国および地域において40カ国語でテレビ放送されていますが、K-1&QUINTETは200の国および地域となりますね。

その数字が、期待値の表れとして捉えています。とくに2024年からは積極的に世界でK-1の大会を開催すると聞いていますが、まさにこれこそが世界が待っていたことではないかと思っています。DAZN本社もK-1を放送することに対して、とても喜んでおります。そして将来、UFCと並ぶグローバルコンテンツになると思っています。K-1とQUINTETにはそのポテンシャルは十分にあります。

――世界展開していく中で、重要な点はありますか?

それぞれのローカルスターを発掘することですね。日本は、各階級にいい選手が揃っていますが、世界展開していく中で、その国を背負って活躍する選手が必要不可欠になります。そこは、とても重要です。

――旧K-1では、アンディ・フグ、ピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、ジェロム・レ・バンナ、ボブ・サップなど外国人スター選手が揃っていました。

はい、私も大ファンでしたので、良く見ていました。日本だと武蔵選手や佐竹雅昭選手、そしてMAXでは魔裟斗選手と誰もが分かる人気選手が活躍していましたが、海外のスター選手が揃っていたのがK-1の最大の魅力でもあります。その時代が、またやって来るかと思うとワクワクしてきます。

DAZN Japan保泉司文氏

――保泉さんも、格闘技ファンなのですか?

はい、大好きです。K-1ももちろんですが、桜庭選手がヘンゾ・グレイシー選手と戦った試合も興奮して見ていました。

――PRIDE.10のヘンゾ戦ですね(2000年8月27日、桜庭がキムラロックで一本勝ち)。

まさか、今回日本のMMAレジェンドとこうして一緒に仕事ができるとは思っていませんでした。QUINTETが、これから世界展開していく上で桜庭選手の存在は、とても大きいと思っています。

――今回は9月の横浜大会が世界配信されますが、どんなコンテンツになるのでしょうか。

日本語版と英語版で分ける形になります。今回は事前番組などを用意する時間がなかったんですが、来年からはそうしたことも視野に入れつつ、各選手にスポットあてていきたいと考えています。

――最後に、今回、配信に踏み切った理由や意気込みをあらためて教えてください。

DAZNは、これまでもボクシングやMMAのビッグイベントを放映してきましたが、K-1とQUINTETがリブート(reboot=再起動)するということで、我々が何かお役に立てるのではないかと思い、こうして配信を任せていただくこととなりました。日本発の格闘技であるK-1、そしてQUINTETを世界のみなさまにお届けできることとなり、重要な責務と興奮を同時に感じています。命懸けで試合に臨む選手たちのその思いを、配信を通してみなさまに伝わるように全力で取り組んでいきます。

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