9.10QUINTET.4、クレイグ・ジョーンズの活躍でTHE B-TEAM BULLS初優勝!

9.10QUINTET.4はハイレベルな攻防が多く見られた中、前評判の高かったTHE B-TEAM BULLSが初優勝を果たした。

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QUINTET.4

9月10日、横浜アリーナにて『QUINTET.4』が開催された。グラップリングの団体戦トーナメントという独自の大会を重ねてきたQUINTET。大会開催は2年ぶり、ナンバーシリーズとしては5年ぶりとなる。

OpeningCelemony
開会式は出場全選手が試合マットに登場!

トーナメントには世界から組み技の強豪たちが集結。!st Round !st matchでは桜庭和志率いるTEAM SAKURABAと、『QUINTET.2』で優勝しているTEAM 10th Plqnetが対戦。

先鋒戦はTEAM SAKURABAの世羅智茂とTEAM 10th PlanetのP.J バーチの対戦。この試合はバーチがマウントからバックを奪うとリアネイキッドチョークで圧勝。バーチと次峰・桜庭の一戦はバーチがテイクダウンに成功。立ち上がると今度はバーチが引き込んで足を取るなど、バーチ攻勢の展開。足関節で攻めるバーチ。防戦の桜庭に指導が入る。バーチはパスガードにも成功。桜庭が足を取り返す場面もあったがバーチはポジションを許さず。バーチが攻め続け、時間切れ引き分けで両者脱落となった。

世羅 vs バーチ
念願のバーチ戦だったが無念の一本負けとなった世羅
桜庭vs バーチ
絶対に一本は取られないと最後まで意地を見せた桜庭

続いての試合は10thの次峰リッチー・マルティネスとTEAM SAKURABAの中堅ハイサム・リダ。序盤からアタックするハイサムは、パスから一気に腕を取るなどペースを握りマウントへ。両者に指導が入りスタンドで再開した後もハイサムが攻勢。しかしハイサムに指導がありリッチーのマウントから再開。それでもハイサムは体勢を入れ替える。終盤、リッチーが腕を狙う場面もあったがこの試合も時間切れでドロー。ハイサムが1試合で失格という結果はTEAM SAKURABAにとって誤算か。

ハイサム vs リッチー
何人勝ち抜けるか期待されていたハイサムだったがドローに終わった

TEAM SAKURABAは副将・中村大介。10thは中堅ジオ・マルティネスが登場。クローズドガードからアンクルホールドを狙うジオ。さらにジオは下から腕を取りキムラへ。そこからバックに移行すると4の字フックで固めチョーク、フェイスロック。なんとかディフェンスする中村だったがジオは攻め手を緩めず。足を組みかえて攻める。中村が腕を取りにいくもジオはバックをキープ。結果はここも引き分けに。

中村vs ジオ
ドローに終わってしまった自分自身に納得がいかなかった中村は試合後も悔しがっていた

TEAM SAKURABAはいよいよ大将ハリー・グレッチの出陣。10thは副将カイル・ベーム。この試合はベームの勝ちか引き分けで10thの勝ち上がりが決まる。ベームは引き込むとラバーガード。さらにバックを取るベーム。グレッチはカウンターでキムラへ。体勢を入れ替えてグレッチがトップ。しかしベームはディフェンス。またも得意のキムラを狙うグレッチだが、これをかわしたベームがバックへ。脱出したグレッチ。タイムアップとなり引き分けで両者脱落。大将を残したTEAM 10th Planetが勝利し、2度目の優勝へ前進。

グレッチvsベーム
積極的に攻めにいったグレッチだったが時間切れドローに終わる

1st Round 2nd matchはTEAM POLARISvsTHE B-TEAM BULLS。先鋒はPOLARISがオーウェン・リヴジー、BULLSがニッキー・ロドリゲス。リヴジ―が上、ニッキーが下からの展開は一進一退。後半はニッキーが攻める場面もあったがドロー。POLARISのジェッド・ヒューとBULLSジェイ・ロドリゲスの次峰戦はヒューがアームバーに捉えるも極まらず。ジェイはマウントからバック狙いもジェッドが立ち上がる。ジェイは再びマウント。後半はジェイが攻め込んだが時間切れ。

ニックロッドvsリブジー
前評判の高かったニッキー・ロドリゲスだが、一本決められず
ヒューvsジェイロッド
見応えのある両者の対戦だったが、ドローに終わる

中堅戦はPOLARISタリク・ホップストックとBULLSジョセフ・チェン。序盤からタリクが攻めるがチェンもマウント。腕を取ると三角も狙う。チェンはタリクの動きを制しつつバック、身体を潰してチョークへ。さらにチェンはアームバー。三角→アームバーのコンビネーションも。時間切れ引き分けとなったが、19歳になったばかりだというチェンの鮮やかな動きが印象に残った。

タリクvsチェン
19歳のチェンも注目を集めていた選手の一人だったが、決めきれずにドロー

POLARISセンチリ・リリアスとニッキー・ライアンの副将戦は体重で20kg以上のビハインドがあるライアンがトップから攻めていく。リリアスの仕掛けをかわしてバック。ライアンのアグレッシブさが目立った試合だがここもドローとなり大将戦へ。

リリアスvsニッキーライアン
体重差をもろともせず攻め込んだニッキーだったがドロー

POLARISはグレゴー・グレイシー、BULLSはクレイグ・ジョーンズ。グラップリングの実績で上回るジョーンズがトップに。パスに成功したジョーンズに対しグレゴーは足を取る。ジョーンズはサイド、上四方で抑え込むがグレゴーも動き続けお互い譲らず。ジョーンズは首、腕を連続で狙う。残り1分を切るとジョーンズは足狙い。エゼキエルチョークも仕掛けたがタイムアップで大将戦も時間切れ。団体戦の勝敗は指導数で決まるがこれも同数、規定により大将戦の旗判定でジョーンズが3-0の勝利を収め、BULLSが決勝進出を果たした。

クレイグvsグレゴー
かつては同じチームで優勝した両者。時間切れドローとなり側判定でジョーンズが勝利して決勝進出を果たした
前田日明
前田日明スーバーバイザーが挨拶!

団体戦トーナメント1回戦の後、スーパーバイザーに就任した前田日明氏がマットで挨拶。続いてシングルマッチ。今大会では2試合が組まれた。まずは女子マッチの石黒遥希vsV.V Mei。柔術家とMMAファイターの対戦となる。

前傾の石黒に対し上体を起こして構えるV。石黒がガードに入れると下からアタック。石黒はニーバーもVがトーホールド。足の取り合いから石黒がトップ。しかマウントポジションはVが返す。石黒は再びニーバーからトップ。起き上がろうとするVにギロチンと攻勢。そして3度目のアタックでニーバーを完璧に極め、Vがタップ。石黒がグラップラーとしての実力を示した。

石黒vs MEI
石黒のニーバーにV,V Meiは無念のタップ
石黒vs Mei
勝利の喜びを爆発させて石黒

続くシングルマッチは柔道五輪金メダリストの内柴正人が登場。対戦するのはこれがプロデビュー戦となる桜庭和志の息子・大世。桜庭は大学卒業後、就職したものの現在は格闘技に集中する生活。

内柴はいきなり足払い。大世も返す。大世も柔道出身だけにスタンド主体と思われたが大世が引き込みから腕を取る。内柴はパスガードするとノースサウスチョーク。ガードに戻す大世。内柴が立ち上がりスタンドへ。大世は引き込んで足関節。内柴はクリアするが大世もアタック。内柴がハーフマウントから腕を取る場面も。さらに内柴はマウントから肩固め。しかし大世も上を取り返すと果敢にニーバー。内柴からタップを奪う大金星を挙げた。

内柴vs桜庭
上になり肩固めを狙う場面もあった内柴だったが…
内柴vs桜庭
ニーバーで内柴から一本を勝ち取った桜庭大世
桜庭
デビュー戦にもかかわらず堂々とした戦いぶりだった

トーナメント決勝はTEAM 10th PLANETvsTHE B-TEAM BULLS。先鋒戦は10thアミール・アラムとBULLSジェイ・ロドリゲス。アラムがアームバー。足関節で攻める場面もあったがドロー。次峰戦は10thのP.JバーチとBULLSニッキー・ロドリゲス。この試合は体重差が20kg以上あるため試合時間が4分。バーチがしのぎきってドローに。中堅戦は10thリッチー・マルティネスとBULLSクレイグ・ジョーンズ。上から攻めるジョーンズがパス狙いから一瞬でトーホールドを極めて勝利。ここで初めてBULLSがリード。

アミール・アラムvsジェイ・ロドリゲス
これが1試合目となった10thのアラム。攻め込んだが決めきれずドロー
P.Jバーチvsニッキー・ロドリゲス
体重差がある中、バーチがしのぎきりドロー
ジョーンズvsリッチー
ジョーンズが本領発揮。まずはリッチーに一本勝ち

続いてジョーンズが対戦したのは10thの副将ジオ・マルティネス。体重差34.9kgで試合時間は4分。ここはジョーンズが下から。ジオも果敢に足を取っていく。ジョーンズはバックからの攻め。後ろ三角、さらにトライアングルアームバーで一本。短い試合時間ながらジョーンズが2人抜き。

ジョーンズvsジオ
ジオにもトライアングルアームバーで一本勝ち。あっという間に2人抜きを達成したジョーンズ

0thは大将のカイル・ベームが登場。ベームは足関節技で攻め続けるがジョーンズもストレートフットロック。タイムアップドローとなり、2人残しでTHE B-TEAM BULLSの優勝となった。

ジョーンズvsベイム
3人抜きを期待されたジョーンズだが、時間切れドローに終わったがチームとしては2人残しで優勝!
THE B-TEAM BULLS
QUINTET.4優勝はTHE B-TEAM BULLS!
桜庭メダル授与
恒例の桜庭Pから手作り優勝メダルが贈られた
THE B-TEAM BULLS
おめでとう! THE B-TEAM BULLS!

表彰式では桜庭からBULLSのメンバーに恒例のメダル授与。桜庭は「今日はレベルが高すぎてなかなか一本が出なかったんですけど、またみんなで練習して一本が出る試合をしていきたいと思います」と挨拶。クレイグ・ジョーンズの圧倒的実力、桜庭大世の鮮烈デビューなど、久々の開催も充実した内容となった『QUINTET.4』。プロデューサーでもある桜庭和志によると、次回大会はK-1との合同開催の可能性も含め未定だが、今回のようにチーム体重430kgのトーナメントを行ないたいとの意向だ。

(リポート/格闘技ライター・橋本宗洋)

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