3月12日、今年初の開催となる『QUINTET FIGHT NIGHT 6 in TOKYO』がEX THEATER ROPPONGIにて開催された。
今回は総体重280kgの女子大会。巴戦で以下の3チームが変則の巴戦で優勝を競う。
〈TEAM CARPE DIEM〉
石黒遥希
内山裕規
守脇美友
菅里実
SARAMI
〈TEAM Fairtex〉
カロリーナ・デ・アモリン・クワハラ
岸田蘭音
ジュリアンナ・ラウレンティーノ
坂元和子
吉田綾子
〈TEAM Coroblock〉
藤野恵実
WINDY智美
端貴代
小生由紀
柳仙香
本戦前のオープニングファイトは丹羽怜音vs長野将大。序盤から長野は師匠・所英男ばりに足関節を狙う。一方、丹羽は下からのアタック。何度も足を取りにいった長野に対し丹羽はマウントからバック。チョーク狙いから十字へ。しかし長野は脱出してみせる。再びバックを奪った丹羽に長野はストレートフットロック。時間切れ間際にはアームロックへ。両者指導ゼロのアグレッシブな攻防は、旗判定で丹羽の勝利となった。
試合前、公開による抽選で決まった巴戦の組み合わせは、第1試合がCARPE DIEMとFairtexの対戦に。
先鋒戦はCARPE DIEMのSARAMIとFairtexの坂元。MMAファイターのSARAMIが圧力をかけ続けるとマウントから肩固め。しかし極めきれずブレイクに。ここで坂本が相手に飛びついてクローズドガードとなるが、これは反則。即座にSARAMIの勝利が宣せられた。
SARAMIは次峰の吉田と対戦。今度は一気にフロントチョークへ。これは脱出されたがバックに回るとマウントへ。そこから十字を極めて2人抜き。中堅・カロリーナが登場する。この試合は体重差が7kg以上あるため試合時間4分となる。
時間が短い中、先手を取ったカロリーナはオモプラータから腕十字。チームリーダーとしてのプライドを見せた。
CARPE DIEMは次峰の守脇がマットへ。この試合も体重差のため4分。足を狙った守脇だったがカロリーナもアンクルホールド、さらにマウントポジションへ。最後のヒザ十字、アンクルにも耐えた守脇。時間切れとなり両者退場となる。
次はCARPE DIEMの中堅・石黒とFairtexの副将・ジュリアンナ。開始早々、石黒が腕十字を鮮やかに極め15秒で勝利。Fairtexは大将の岸田を残すのみとなる。
後がない岸田に石黒は下から多彩な攻め。だが残り1分半のところで岸田がバックに回るとチョークで一本。引き分けでもチームの負けが決まる中、簡単には決着に持ち込ませない。
CARPE DIEMの副将は菅。体力を消耗した岸田にパスを狙いながら首を取り、ダースチョークで一本。これでCARPE DIEMの勝利と優勝決定戦進出が決まる。
ここで注目のアイアンマンエキシビション、SAKU Jr.と鈴木和宏の対戦。SAKU Jr.は父・桜庭和志と同じ曲で入場する。レフェリーは島田裕二。SAKU Jr.は序盤から足関節、アームバーを仕掛けると横三角からのアームロックで一本。今度は鈴木がアームバーを仕掛けるも、これはクリア。そこからお互い何度も足関節技にトライしていく。鈴木もヒザ十字を極めてポイント1-1に。ラスト1分、SAKU Jr.は父の得意技でもあるアームロック。鈴木はアームバー。どちらも脱出し、エキシビションのため勝敗なしで終了。
試合後は桜庭が登場し、大学を卒業する息子の「卒業セレモニー」を実施。マットにはSAKU Jr.の柔道部の仲間も。「立派なカッコいい大人になってください」と桜庭はメッセージを送った。
女子巴戦2試合目はFairtexとCoroblock。先鋒戦は坂元と小生。三角絞に捕らえた坂元は腕も取りにいくがブレイクに。小生は上から圧力をかけると足関節へ。残り3分を切ったところで両者に指導。坂元はアームバーを狙うが小生は潰す。終盤には後手に回った坂元に2つ目の指導。引き分けとなったが指導ポイント数では差がついた。
次峰戦は藤野vsジュリアンナ。引き込んでアームバーを狙うジュリアンナだが藤野は上から圧力。さらに藤野は腕を取りアームロックへ。だがジュリアンナは脱出してみせる。その後も下からの仕掛けを潰していく藤野。引き込んで足を取るジュリアンナだが藤野は上をキープ。この試合もドローに。
ここでFairtexはリーダーのカロリーナが登場。柳との対戦は4分。MMAのストライカーだという柳に対し、カロリーナは下から攻めたいところだったが両者指導に。再開するとカロリーナが三角を狙う。柳はこれをディフェンス。再度の三角も柳はクリアしたが、ここで柳に指導。サイドポジションからリスタートするも柳は立ち上がりタックルを決める。ここでも引き分けとなった。
続いては副将戦。吉田とWINDYの激突となる。もともとキックボクサーのWINDYだがグラップリングも迫力充分。大外でテイクダウンされてもバックを狙いにいく。しかし最後は吉田がアームバーで一本。WINDYもギリギリまで粘ったものの、ここで初めて両チームに勝ち星の差がつくことに。
Coroblockは大将・端の登場。体重差があり4分に。時間がない端は序盤から猛攻。開始1分ほどでバックに回るとマウントからアメリカーナ。残り30秒を切ったところで吉田を仕留め大将戦へ。
端vs岸田は岸田ががぶりからトップへ。すかさずバックからチョークを狙うが端は脱出。両者に指導が入り、再開すると岸田が大内刈りで倒す。岸田は残り2分でフロントチョーク。端は上を取り返すなど一進一退で試合終了。指導の数も同数のためチームの勝敗は大将戦の旗判定に。その結果、Fairtexの勝利が決まり、優勝決定戦ではCARPE DIEMとの再度の対戦に。
優勝決定戦前のワンマッチは中村大介vs世羅智茂。煽りVではプロレスvs柔術の「異種格闘技戦」と謳われた。下から攻める世羅、対処していく中村という展開から世羅がマウントへ。さらにバックを取る。粘る中村に世羅はマウント。ギロチン、肩固め、アームバーとたたみかける世羅だが中村は脱出。場内が大きくどよめく。世羅は終盤もギロチンを仕掛けるなど最後まで攻め続け、旗判定で勝利を収めた。
そして女子巴戦決勝はCARPE DIEMvsFairtex。これでFairtexは3試合目となる。
先鋒戦、CARPE DIEMは1試合目に出ていない内山が登場。Fairtexは前の試合で大将だった岸田。連戦となるが、内山を岸田が“潰す”作戦だったという。だが4分の試合は内山が下からアタック、開始50秒、ストレートフットロックで一本勝ち。
内山vsジュリアンナも4分。ここでも内山は足関節の連続攻撃。今度はヒザ十字で一本勝ちを収める。
続いては内山vs坂元。先鋒対中堅と差がついた中での試合だ。これも4分。内山はまたしても積極的に攻め込み、マウントポジションから首を取る。ここは引き分けとなったが、CARPE DIEMは大量リードだ。
CARPE DIEM次峰・守脇とFairtexの副将・吉田の対戦は守脇がマウントからのアームバーで一本勝ち。Fairtexが残すは大将のカロリーナのみとなる。
守脇vsカロリーナは試合時間4分。守脇は“逃げ切りドロー”でも優勝が決まる。守脇はアグレッシブに動いて主導権を握らせず、マウントからのアームバーも極めさせない。時間切れにもちこんだ守脇がCARPE DIEMの優勝を決めた。3人残しは初戦以上の大差だ。
閉会式では、桜庭からハート型のメダルが授与。「コロナが落ち着いたら10th(PLANET)も呼んで闘ってほしい」と桜庭。大会総括では「アメリカの10th、ブラジル系も強いと思うしイギリスのポラリスも。日本最強チームを作って4カ国のトーナメントもいいかな」と語っており、今後のQUINTET女子戦線がどんな展開を見せるか、注目していきたい。
(リポート/格闘技ライター・橋本宗洋)