10月19日、神奈川県・横浜BUNTAIで『能登半島地震チャリティ・イベント JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE〜日本格闘技、夢の架け橋〜』が行われ、QUINTET提供試合として男子団体戦と女子ワンマッチ2試合が行われた。
男子の団体戦では日本格闘技界の顔役「RIZIN」が初参戦。先の「RIZIN.48」で宇佐美正パトリックに勝利した矢地祐介がリーダーとなり手練れのベテランと新鋭を織り交ぜたチームを作ってQUINTETに参戦するとのことで今大会は更に大注目されることとなった。
かたや、TEAM SAKUはQUINTETの創設者にして”レジェンドMMAファイター””UFC殿堂入り”桜庭和志の息子桜庭大世が柔道をバックボーンとするファイターを率いるチームを結成するということでこちらも注目だ。
7月28日、「超RIZIN3」で12月31日に開催されるRIZINでMMAプロデビューをすることを発表された桜庭大世とRIZINファイターがグラップリングで戦うという刺激的な組み合わせとなった。
【TEAM SAKU】Team Total Weight 378.8kg
先鋒 ジュマナザロフ・ラトベック Dzhumanazarov Ratbek 79.0kg
次鋒 平田直樹 Naoki Hirata 72.8kg
中堅 出花崇太郎 Shutaro Debana 76.8kg
副将 桜庭大世 Taisei Sakuraba 72.6kg
大将 内柴正人 Masato Uchishiba 77.6kg
【TEAM RIZIN】Team Total Wight 372.8kg
先鋒 横山武司 Takeji Yokoyama 73.0kg
次鋒 北岡悟 Satoru Kitaoka 79.0kg
中堅 倉本一真 Kazuma Kuramoto 65.5kg
副将 新居すぐる Suguru Nii 78.0kg
大将 矢地祐介 Yusuke Yachi 77.3kg
先鋒対決はTEAM SAKUは、内柴がキルギス柔道の監督時代の弟子のラトベック。キルギス柔道81kg級チャンピオンだ。今回唯一事前情報がほぼない選手。対するTEAM RIZINは、RIZIN参戦中で柔術ベースでMMAでも一本勝ちを量産している第2代Fighting NEXUSフェザー級王者の横山でアマチュアQUINTETに2度参戦経験がある。未知の強豪ラトベックを横山がどう捌くかが見所だ。
試合は体重で6kg上回るラトベックが前へ前へ出てスタンドでプレッシャーをかける展開。ラトベックが不意に首にかけた手に対して飛びつき腕十字を仕掛けるながら引き込む横山。足を絡めてラトベックのバランスを崩す。スタンドで再開となると腕を掴みながら引き込む横山がそのまま上下を入れ替えてマウントポジションに。エスケープを試み暴れるラトベックを冷静に片足を跨いで首にかけ一気に横山がボトムポジションに入れ替えながら三角絞めの体勢に。見事に足を組み替えて1分8秒、三角絞めで一本勝ち。横山が初戦で体力を温存した状態で勝利した。
2試合目は、TEAM SAKU 次鋒・平田直樹とTEAM RIZIN先鋒・横山の対決。平田は、内柴と同じ国士舘で柔道を経験。柔術・MMAに転向し現在MMA5連勝中。12月にパンクラスでのタイトルマッチも決定している強豪。柔術をベースにしたMMAファイター同士の戦い。団体の違うフェザー級対決はMMAファンも注目の一戦だ。
スタンドの展開から引き込みスパイラルガード・オープンガードで攻める横山に対してニーリングでパスガードを狙う平田。横山がデラヒーバフックから上下を入れ替えるが平田も潜り込んで足を抱えてスイープ。上下が目まぐるしく入れ替わる展開。平田ががぶりからギロチンチョークを狙っていくが場外際でブレイク。
その後もトップの平田、ボトムの横山の展開が続くが残り30秒で平田が思い切ってジャンプして首を抱えながらパスガード。クオーターネルソンでプレッシャーをかけてダースチョークに捕らえるが惜しくも極めきれず、時間切れ引き分けとなった。
3試合目は、TEAM SAKU 中堅・出花崇太郎とTEAM RIZIN 次鋒・北岡悟の戦い。出花は、リングネームキャプテン☆アフリカとして修斗の第15代世界ライト級王者という輝かしい肩書きを持つ実力者。今回QUINTET6回目の出場となる出花は、過去の大会でも一本勝ちを量産していることからTEAM SAKUでは抜き役として期待されている。一方の北岡はベテランMMAファイター。かつて戦極ライト級・DEEPライト級王者として一時代を築いてきた。グラップリングの強さに定評があるため今回のQUINTET初参戦で北岡の新たな一面を見ることができるのではないかという期待が大きい。
2試合目に続きこちらも団体の違う同階級のMMAファイター同士の戦いとなった。激しいスタンドの組み手争いが続く。お互いテイクダウンできない状況でレフェリーが両者に指導。スタンド再開後北岡がダブルレッグテイクダウンでトップをとる。北岡がトップから出花の脚と首元にしっかり手でフックをすることでパスガードを狙いながら出花の動きを封じる。両者がフィニッシュに向かっていないと判断したレフェリーから2回目の両者指導を受ける。
再びスタンドの展開から出花がいなして北岡を崩すが、逆に北岡がトップポジションに。ハーフガードの状態で胸を合わせてキープする。出花がエスケープを試みるが両脇を差してトップポジションをキープする。途中北岡からピースサインも飛び出す余裕っぷりを見せる。ここでレフェリーが3回目の両者指導を出し失格負け。両者が退場となった。北岡は、してやったりという表情で抜き役を引きずり下ろしWピースサイン。出花は悔しそうにマットを後にした。
4試合目は、TEAM SAKU 副将・桜庭大世対TEAM RIZIN 中堅・倉本一真。チームリーダーの桜庭大世が副将で登場。昨年9月10日「QUINTET.4」のシングルマッチで見事内柴正人にニーバーで一本勝ちをした。年末のRIZINでのMMAデビュー戦に弾みを付けるためにも今大会でファンに印象を与える好試合をしたいところだ。対する倉本は、レスリングをベースとしたMMAファイターで、MMAの試合で得意のジャーマンスープレックスを炸裂させ、強烈なパウンドが特徴のファイター。そしてMMA転向前はレスリング全日本選手権を3連覇しているエリートレスラーである。参戦選手の中で最軽量の倉本を体格差で上回る桜庭がどのように仕留めて行くかに注目が集まる。
序盤は戦前の予想通り、スタンドの展開に。ツーオンワンの組み手で懐に入る倉本をいなして離れる桜庭。桜庭は足技を多用しバランスを崩させる。そのまま一気に内股を仕掛けるが、倉本も呼応して両者がもつれたところで倉本がトップポジションを取る。倉本が巻き投げで脇をくぐってトップポジションへ。桜庭はクローズドガード、オープンガードからトーホールド、倉本がエスケープするとすぐに倉本がニーバー。お互い足関節を目まぐるしく攻防が入れ替わる。
スタンド・グラウンドの展開からアクシデントで桜庭の足が倉本の目に入り中断。再開後にスタンドで桜庭の小外掛けのプレッシャーを反り投げで切り替えす倉本。スタンドの展開から前転して足を取りにいく桜庭がストレートフットロックを狙っていく。かなり深く入るがここは意地で倉本がエスケープ。桜庭は動きに合わせてしっかりとサイドポジションでトップをキープする。残り1分で再びスタンドから小外掛けでテイクダウンした桜庭がトップポジションがキムラアームロックを仕掛ける。エスケープした倉本が最後にノースサウスチョークを仕掛けたところで時間切れとなった。
5試合目は、TEAM SAKU 大将・内柴正人対TEAM RIZIN 副将・新居すぐる。内柴正人は、2008北京オリンピック柔道男子66kg級金メダリスト。QUINTETには継続参戦している。片や、新居すぐるは、第10代フェザー級キング・オブ・パンクラシストで得意のアームロックでの一本勝ちが印象的な選手だ。新居が勝利もしくは引き分けの場合、TEAM RIZINの勝利が決定する。内柴は意地でも負けられない勝負となった。
柔道少年だった新居が憧れのヒーロー内柴に挑む一戦だ。スタンドの展開で崩し合う両者。やや内柴がプレッシャーをかけて前に出る。お互いに頭を固めて足技を仕掛ける。崩れない内柴に攻めあぐねる新居。膠着し両者に1個目の指導が入る。拮抗した状態から足技で投げたのは新居。場外際だったためブレイクとなった。その後もスタンドで決定打に欠ける状態になり両者に指導が2個目となった。残り1分のところで再び新居がテイクダウン。クローズドガードの内柴に対してパスガードを試みる新居が1本足を越えて場内が大いに沸く。再びスタンドになり残り数秒で再度新居が投げたところで時間切れに。
TEAM RIZINが大将・矢地祐介を残して勝利となったが、柔道・レスリング・柔術・MMAの技術が入り乱れたこれぞQUINTETと言った好勝負が続出した闘いとなった。
試合後のコメント
TEAM RIZIN
矢地祐介(以下、矢地) 出番はなかったんですけど、すごく心強く、横山選手の一本勝ちでチーム一丸いなれたかなと思います。
——戦いを見て感じたことは?
矢地 僕がやったら、どのくらいできるのかとかシンプルに気になりました。
——横山の勝ちが勝利につながりましたか?
矢地 横山さんからの北岡さんの頑張り、ポイントゲッターの出花選手の引き分け、いい試合でした。
——出たかったですか?
矢地 そうですね、汗かくだけで、応援で終わってしまって。ここにいたくないくらいです(笑)。
——もう一回、このメンバーで戦いたいか?
矢地 はい。次は先鋒で!
新居すぐる(以下、新居) やりたかった内柴選手とできたのは嬉しかったですけど、個人的にもっとスクランブルをやりたかったんですが、チームで勝ちたかったんで。
——憧れの内柴選手とのマッチングになりましが?
新居 お互い副将同士の試合ならば、もっとパフォーマンスを発揮しようと思っていたんですけど、先鋒が勝って、みんながチームのために戦っていて。僕も仕事をしないといけないと思い、絶対に投げられないようにと徹底していました。個人的にはワンマッチで内柴選手と戦いたいです。
——内柴選手の印象は?
新居 最初に4つを組んだ時に、絶対に投げられないようにしようと思っていて。腕を極められて投げられそうだったので、警戒していました。試合前、時間が経てば削れるイメージだったので、頑張ろうと思って我慢していました。
倉本一真(以下、倉本) 極めて勝ち上がりたかったけど、とりあえずチームが勝ててよかったです。
——引き分けを狙っていましたか?
倉本 絶対に勝つという気持ちでいきましたが、最低条件が引き分けで。自分は軽量級でグラップリングのイメージが全然ないと思うので、そのイメージを破壊しようと思いましたが、そんなにうまくはいかないですね。極めたかったです。
——桜庭大世選手の印象は?
倉本 大きいので、抱えてくることが多かった。飛び付きで何かしてくるやろうなと、それだけは気をつけていました。レスリングをしっかりしておけば。あとは足関節やってきて、僕も足関節は得意なのでやろうと思ったんですけど、あまりいけなかったです。
北岡悟 (以下、北岡) 勝てて良かったです。
——引き分けでしたが。
北岡 それでいいと思っていました。QUINTETの団体戦は、そういうものです。ルール、競技、捉え方がすべてなので。抜いてくれた人がいたから、よりそうなるし。僕が言っていたのは、もしも横山さんが抜いたら、僕は引き分けることに全力を注ぎますと言っていました。仮に平田君でも、似たようなことをしてきたかもしれませんね。引き分けるのは仕事。競技であり勝負。急造だけどせっかくチームになったので勝ちましょうと出る直前に、僕は年長者なので、矢地君の代わりに言いました。言ったほうが士気が上がると思っていたので。自分の中で人前で動いてどこまで出せるか考えていたこともあるので、納得しています。
——楽しめましたか?
北岡 はい、楽しめたのではないでしょうか。ありがとうございます。
横山武司 (以下、横山) もっと一杯いいところを見せたかったんですけど、チームで勝ったの凄く嬉しかったです。
——狙いどおりでしたか?
横山 個人的には出花選手と戦いという思いもあって、平田選手を倒せば出花選手でしたし、思ったより体重が僕と同じくらいで。ここは取らないとないと思いましたが、強かったです。
——5人抜きはしたかったですか?
横山 もちろん考えたけど、さすがに無理かなと。でも出花選手までいきたかったので、勝てたけど悔しいです。
TEAM SAKU
内柴正人(以下、内柴)QUINTETはできた時から、出たい大会で。しかも対戦した2人がいて、僕の教え子もいると。いつも見てきたRIZINの人たちと肌を合わせることができて、結果は負けてしまったけど、ここで終わらないようにつながりを考えていきたいです。
——最後はどんな心境ですか?
内柴 新居選手は柔道出身でアームロックが強くて。組んだ時に気持ちを感じて、立ちで来てくれて嬉しくて、気づいたら立ちで終わっていました。
——後がないという気持ちは?
内柴 それは結果なんですね。前を信じていました。
桜庭大世(以下、桜庭)向こうのチームには、一人戦っていない選手がいたのが悔しいです。終わってから、ハアハア言わせたかったです。
——勝ち方のプランは?
桜庭 横山選手が先鋒で来そうだなというのはみんなで話していて、ここで勝って後は引き分けでと。まさに逆をやられた感じです。一番のダークホースのラトベックが、パワーあるし内柴さんジュニアなので、とられることはないと思っていたんですけど(苦笑)。あとは出花さんが一本をとっているので、いけると思っていたんですけど相手の作戦通りと言うか、いいようにはまってしまった感じです。
——自分が打開しないという気持ちは?
桜庭 ありました。出花さんがとってくれると思っていて(笑)。北岡さんとって、倉本さんと戦うことはないと思っていました。まさか、来ちゃったと。絶対に僕が、せめて2人はとりたかったです。倉本さんと新居さんのことを。それで最後、大将に任せようと。いけたら、矢地さんまでと。
——足関節で行けた感触は?
桜庭 惜しいと僕でも思いましたけど、その分、相手も抜くのもうまかった。もっと練習しないとなと思いました。(手応えは)高校、大学で柔道をやっていて弱かったので団体戦の経験があまりないんですけど、久しぶりに団体戦に出て、いいところ悪いところを考えて。戦う前よりも仲良くなった気がします。
出花崇太郎(以下、出花) 一人リードされた状態で回ってきたので、自分が勝たないといけなかったんですけど、相手の作戦にはまったなと。指導が早くて、不完全燃焼で悔しいです。でも、このチームで呼んでもらって最高の思い出になりました。
——抜かないといけない状況でした。
出花 そうなんですよね。下でももっと動けばよかったのもあるんですけど、指導の旗をあげているのが見えて。両者指導で終わってしまったので、不完全燃焼で悔しい。前の試合を見ていて、あのくらいで指導が来るのか、早いなと思ってしまっていました。
平田直樹(以下、平田) 本当は、もう1試合くらいはしたかったんですけど、横山選手は強かったので最低限の仕事はできたかなと。また機会があれば試合したいです。
——先鋒が敗れて、横山戦はどんな試合を心掛けましたか?
平田 相手が小学生の頃の柔道の先輩なので、足を狙って来たり下からの攻撃は分かっていました。それを防ぎながら得意のポジションで、もうちょいできたかなと。相手が疲れていたのは分かったので。
——一本は取りにいけなかったですか?
平田 最低が引き分けて止めること。その中で一本を取りにいこうと思っていました。あそこで抜かれてしまうと厳しいので。
ジュマナザロフ・ラトベック(以下、ラトベック) 楽しかった。長くしたかったけど、できなかった。申し訳ございません。
——どうやって戦おうと思ってましたか?
ラトベック 柔道で戦って投げようと思っていました
激闘の女子ワンマッチ2試合の行方やいかに!
ワンマッチとして行われた女子シングルマッチ1試合目は、10代の新鋭同士対戦となった。城戸は、小学1年生より愛知県で柔術に励んでいる。現在は出場する柔術大会で優勝を重ねている新世代の日系ブラジリアン柔術家の代表と言える存在だ。
一方NOEL(ノエル)は、格闘技歴は3年ほどだが打・投・極に非凡なセンスを見せる新鋭MMAファイターだ。本人はQUINTETへの参戦を夢に見ていた。5年前の「QUINTET Fight Night 2」にゲスト解説に来ていた山本美憂と幼さの残る子供のNOELが一緒に映る写真がSNSに投稿されていた。
イベント全体の本戦のオープニングとしておこなわれたこの試合は、ファーストコンタクトで引き込む城戸とイマナリロールで潜り込むNOELが交錯。城戸が冷静にクローズドガードに閉じ込める。ボトムポジションから城戸が手首や腕を引き付けながらハイガードに移行し、腕関節や三角絞めを狙うセットアップを試みる。しかしNOELがトップポジションから腕を抑えてなかなか決定的な形を作らせない。フィニッシュに向かっていないと判断したレフェリーから両者に指導が入る。
スタンドから再開し、NOELが地面に手を付くなど低いタックルのフェイントから頭をはたき一気にがぶりの体勢からすぐさまギロチンチョークのセットアップへ。NOELのマウントポジションからのギロチンチョークを城戸が必死にエスケープする。NOELがポジションから引き込んで城戸を足でコントロールし、一気に絞め上げ1分48秒、ギロチンチョークで一本勝ち。NOELは、憧れの舞台で泣きながら喜びを爆発させた。
女子シングルマッチ2試合目は、”王者”同士の対決となった。カロリーナは、2021年に開催された「QUINTET Fight Night 6」でTEAM Fairtexのリーダーとして出場。TEAM CARPE DIEMに敗れて準優勝という悔しい結果から3年ぶりの登場となった。この3年の間に帯も紫帯→茶帯、そして今年6月28-30日に開催された「IBJJFアジア柔術選手権」で階級・無差別両カテゴリーを制し、満を持して黒帯に昇格した。
一方の中尾は、阿部裕幸率いるレスリング集団のAACC出身だが、柔道をベースとしてブラジリアン柔術も修行中のMMA選手だ。福岡工業大学の柔道部時代に「全日本学生柔道優勝大会」3人制の女子団体戦で日本一に輝いている。また今年9月15−16日「SJJJF全日本柔術選手権」、10月6日「全日本アマチュア修斗選手権」を共に優勝している。今回の試合がプロイベントでのデビューとなる。
序盤から中量級とは思えないスピーディーな展開。中尾が柔道家らしく後ろえりにあたる首を引き付け足技で崩しにかかる。一方のカロリーナは、崩しに来た足をキャッチしてシングルレッグテイクダウンを狙う。中尾がシングルレッグのディフェンスのために小手巻きの組み手に切り替える。そのまま小手投げで投げる。カロリーナも体を入れ替えグランドではトップポジションになったところで場外でブレイク。
中央からスタンドで再開。カロリーナがスタンドに付き合わずに引き込み、そのままクローズドガードから前に崩して腕や足を抱えてセットアップを試みる。しかし場外となり再びブレイク。中央でスタンド再開後にすぐに引き込むカロリーナ。中尾がニーリングのパスガードを狙うがカロリーナがオープンガードでパスをさせない展開に。スクランブルから上下を入れ替えカロリーナがトップポジションを取った際に中尾を右足を抱えつま先を捕らえて1分42秒、トーホールドで一本勝ち。満面の笑顔のカロリーナは王者の風格を漂わせた。(リポート/JIU-JITSU NAVI 新明佑介)